■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★
一緒に暮らしたいと願う息子を拒絶することは出来ない。自分は傲慢で冷淡な自分の父とは違うのだ。でも今は再婚して赤ちゃんが出来た妻がいる。息子への愛、妻たちへの気兼ね。あとに残るのは痛みとやりきれなさばかり。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
緻密な構成によって、息子との関係を修復することと、心を病んだ息子を救おうとすることを混同するような状況を作り上げていく。罪悪感や体裁にとらわれ、感情に流されてしまう父親の姿が痛々しく、胸を締めつけられる。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
心が痛い。人の感情の波を読み取るのに沢山のパワーが必要。自分の感じ方でサスペンスの要素にもなったり。親になったら子の気持ちを考えて行動を。でもそれだけ?とも思う。切なくて自分の考えが纏まらなくなった。
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★
同監督の前作「ファーザー」が傑作であったが、今作には前作にあった視点の新鮮さがないのが致命的か。俳優陣は素晴らしいのに、脚本のせいか空回りしているように見えてしまう。映画を作る難しさを学べる利点あり。
※週刊朝日 2023年3月31日号