神龍は2000年7月生まれで平良の1学年下、堀口との試合は23歳となって迎える。若く見える堀口だが1990年10月生まれで32歳となり、もし今回の一戦で後れを取れば、平良・鶴屋(2002年6月生まれ)と若い人材が揃ってきた日本フライ級の世代交代、さらに日本格闘技界の主役交代を免れない事態となる。

 技術幅が広いため熟練に時間を要し、活躍年齢も他の格闘技に比べ高い傾向のあるMMAだが、堀口が昨年大晦日の扇久保博正戦でも示した全局面での強さを見せ退けるのか、あるいは4月に元パンクラス王者の北方大地を圧倒的な内容で降した神龍が驚きを生み出すのか。

 他にも、21年10月の対戦で神龍を追い込み、昨年から今年にかけ行われたDEEPフライ級グランプリを制した福田龍彌、血筋・ストーリーとも申し分ない存在で遂に復活を果たした山本アーセンと、国内フライ級は充実を見せる。

 まずは早々に代替試合が決まった平良のUFC第4戦、Bellator王座をかけた堀口vs神龍戦、そして鶴屋の「ROAT TO UFC」準決勝と、見どころが続く。(文/長谷川亮)

●プロフィール
長谷川亮/1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」 編集部を経て2005年よりフリーのライターに。 格闘技を中心に取材を続けている。 そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『 琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』( 2019)の監督、格闘技・プロレスのインタビューチャンネル『 青コーナー』の運営も。