村上、山田、山崎の3人は大型契約を結んで間もないだけにまだ挽回までの時間は残されているが、最も重要とも言える複数年契約の最終年に苦しんでいるのが丸佳浩巨人)だ。2018年のオフにFA権を行使し、古巣の広島、地元のロッテとの大争奪戦の末に5年総額25億5000万円の大型契約で巨人に移籍。昨年までの4年間はいずれも20本塁打以上を放ち、3割台後半の出塁率をマークするなど中軸として十分な働きを見せている。

 しかし5年契約最終年となる今シーズンは開幕から極度の不振に陥り、スタメンを外れる試合が増加。6月に入って徐々に調子を上げてはいるものの、このままのペースではレギュラー獲得後最低の成績となる可能性が高い。これまでの4年間は安定した成績を残しており、2019年からのリーグ連覇の功労者でもあるが、今年で34歳という年齢を考えると苦しい立場とも言える。残りのシーズンでどこまで復調をアピールできるかが、オフの契約更改における大きなポイントとなることは間違いないだろう。

 ここまでは苦しんでいる選手を紹介したが、逆に今シーズン見事な成績を残している選手も存在している。その筆頭格と言えるのが宮崎敏郎(DeNA)だ。2021年オフに6年契約(総額12億円プラス出来高)を結んだが、大型契約2年目となる今年は開幕直後からヒットを量産。5月下旬まで4割以上の打率をキープし、好調なチームを牽引する存在となっているのだ。6月に入って少し数字は落ちてきたものの、首位打者争いは独走状態が続いており、ホームラン、打点でもトップ争いを演じている。2017年以来となる首位打者はもちろん、トータルでもキャリアハイとなる成績を残す可能性は十分にあるだろう。

 パ・リーグでは則本昂大(楽天)も調子を上げている。7年契約(総額21億円プラス出来高)を結んだ2019年からは2年連続で5勝と大きく成績を落としていたが、2021年からは11勝、10勝と復調。今シーズンも開幕からは連敗スタートとなり、3勝4敗とまだ負けが先行しているものの、ここまで先発した10試合全てで5回以上を投げ切り、自責点は3以下と先発としての役割をしっかり果たしている。今後も先発の柱として期待できそうだ。

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さらなる大型契約を獲得できそうな投手も