そして大型契約最終年となる今年、素晴らしいピッチングを見せているのが則本のチームメイトである松井裕樹(楽天)だ。2019年オフに年俸2億5000万円プラス出来高の4年契約を締結。先発に転向した2020年は結果を残すことができなかったが、シーズン途中に抑えに戻ると昨年は自身2度目となる最多セーブのタイトルを獲得。

 今年もここまでリーグ2位となる15セーブをマークし、防御率も0点台と抜群の安定感を見せているのだ。通算セーブ数も212セーブとなっており、名球会入りの基準となる250セーブにも迫っている。今年で28歳とまだまだ若く、メジャー移籍の可能性もあると言われているが、楽天としても残留のためにさらなる大型契約を提示することになりそうだ。

 大型契約にはもちろんリスクも伴うが、腰を据えて野球に取り組めることで好成績に繋がる事例もあるはずだ。少し気の早い話になるが、このオフも新たな大型契約を結ぶ選手が出てくるかにも注目してもらいたい。(記事内の年俸は全て推定、成績は6月28日の終了時点)

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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