現代人はいつも自分の内面と他人の外面を比べてしまう。人生にはいい日も悪い日もある。自信がみなぎるときもあれば不安になるときもある。そんな浮き沈みのある人生を、いいところだけを切り取った他人の人生と比較してしまう。それが最も起こりやすいのがSNSだ。レストランでの素敵な食事やビーチでの休暇の写真は次々と投稿されるが、夕食時の口論や二日酔いの写真はまず見かけない。それなのに、他人がSNSで見せる写真と自分の現実の人生を比較し、幸せな人生を楽しんでいるのは他人ばかり、と思ってしまう。
二つめは、SNSを使うときには、自分の心の状態を確認すること。
SNSの使い方については、万人に当てはまる正解はない。誰かにとってはいい方法が、別の人にとってはそうでもないこともある。だから、自分にあったSNSの使い方を考えるときには、使いながら自分がどう感じているかがとても重要だ。フェイスブックを三〇分間使ったとき、元気になれたと感じるだろうか? 長時間ネットを眺め、あちこちクリックして回ったあとで、消耗したと感じることはないだろうか? フェイスブックやツイッターを使ったら、少し時間をとって自分の気分やものの見方の変化を見つめ直すと、適切な使い方がわかるかもしれない。身じろぎもせずにSNSにかじりついている自分に気づいたら、少し時間を割いて自分の気分を確認しよう。
三つめは、自分のSNSの使い方が、大切な人にどう見えているのかを確認すること。自分のスマートフォンの使い方について、パートナーがどう思っているかを尋ねてみよう。あなたのネットの使い方は、身近な人にどんな影響を与えているだろうか? 朝食のとき、夕食後、あるいは車に乗っているときなど、ネットに夢中になっているあなたを見て、家族は寂しい思いをしていないだろうか? 子どもたちはどうだろう? 子どもが情報端末の画面に張り付いて離れない、と大人は思い込みがちだが、親がスマホに夢中で困るという子どもからの不平は、めずらしいものではまったくない。自分ではなかなか気づけないことなので、周りの人に尋ねて確認しよう。