昨年はリリーフで16試合に登板して防御率6点台と結果を残すことができなかったが、オフにはプエルトリコのウィンターリーグに参加してレベルアップを図っている。今年はまだ一軍での登板はないが、二軍では8イニングで16個の三振を奪うなど、持ち味を発揮。現在は故障もあってリハビリ組に入っているものの、実戦復帰は間近という報道も出ている。同じサウスポーでは現役ドラフトで移籍した大竹耕太郎(阪神)が大活躍しているだけに、投手陣の苦しいヤクルト巨人などであれば活躍の場も十分にありそうだ。

 野手ではパ・リーグで首位を走るロッテの外野陣が山口航輝、藤原恭大などが台頭してきたことによって、少し飽和状態に見える。中でも今年出番に恵まれていないのが菅野剛士だ。ルーキーイヤーの2018年にいきなり53試合に出場。3年目の2020年にはキャリアハイとなる58安打を放ち、貴重な外野のバックアップとして活躍している。今年もここまで一軍出場はないものの、二軍では4割を超える出塁率をマークするなど、そのしぶとい打撃は健在だ。何か圧倒的な武器があるわけではないが、守備も安定感があり、チームバッティングができるというのは大きな魅力である。なかなか外野が固定できない西武などであれば、一軍の戦力になる可能性は高いだろう。

 育成が難しいと言われる捕手で実績がありながら今シーズン完全に“余剰戦力”となっているのが宇佐見真吾(日本ハム)だ。2019年のシーズン途中にトレードで巨人から移籍し、昨年はキャリアハイとなる81試合出場、55安打、5本塁打と結果を残したが、今年は伏見寅威とマルティネスの加入もあってここまでわずか9試合の出場に終わり、ヒットも1本も出ていない。

 ただ打てる捕手という意味では貴重な存在であり、トレードをきっかけに成績を伸ばした実績もあることから、環境が変わればまた戦力となることも十分に考えられる。2番手捕手が課題の中日、またシーズン中の同一リーグへの捕手のトレードは珍しいことだが森友哉(オリックス)の抜けた穴を埋めることに苦しんでいる西武などにとっては、垂涎の存在と言えそうだ。

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最近のトレードで“大きな戦力”になった選手は?