上原と同じく先発からリリーフに転向して成功し、日米両方で活躍した投手では斎藤隆(元横浜など)の名前が挙がる。横浜では入団2年目から先発の一角に定着し、3度の二桁勝利をマークするなど活躍。プロ入り10年目の2001年からは抑えに転向し、2年連続で20セーブ以上を記録している。そしてリリーフとして大成したのは上原と同じく海を渡ってからだった。メジャー移籍1年目にドジャースでいきなり抑えを任せられて24セーブをマークすると、翌年は39セーブ、防御率1.40と一流のクローザーと言える成績を残している。その後もメジャー4球団で中継ぎとして結果を残し、2013年に楽天で日本球界に復帰した後も2年連続で30試合以上に登板して防御率2点台をマークするなど、大ベテランでありながら存在感を示した。日米通算で100勝、100セーブ(112勝、139セーブ)を達成しているのは現時点で上原と斎藤の2人だけである。

 逆にリリーフから先発に転向して大成功した例では摂津正(元ソフトバンク)になるだろう。JR東日本東北では毎年のようにドラフト候補に挙げられながらなかなか指名がなく、26歳でようやくプロ入りを果たしたオールドルーキーだったが、即戦力の期待に応えて1年目から70試合に登板して39ホールドポイントをマークし、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。翌年も防御率こそ2点台に悪化したものの、前年を上回る42ホールドポイントを記録する大車輪の働きを見せている。

 2年間フル回転したことと、チーム事情もあって3年目に早くも先発に転向すると、そこから5年連続で二桁勝利をマークし、2012年には最多勝のタイトルも獲得するなどパ・リーグを代表するスターターとなった。上原、斎藤と比べると活躍した期間は短かったものの、前述した通り26歳でドラフト5位という低い評価でのプロ入りだったことを考えると通算79勝、73ホールドという成績は立派である。また、リリーフから転向してすぐに結果を残したという点でも稀有な存在と言えるだろう。

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他にも近年「先発&リリーフ」で活躍した投手