【深ヨミ】
【深ヨミ】 "歴史縛りファンクネスバンド" レキシが最も支持されている地方とは

 10月8日付週間アルバム・セールス・チャート“Billboard JAPAN Top Albums Sales”で、レキシの『ムキシ』が初週累計23,274枚を売り上げ、2位を獲得した。(集計期間2018年9月24日~2018年9月30日)

 前作『Vキシ』から2年2か月ぶり6枚目のオリジナル・アルバムとなる『ムキシ』は、TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』主題歌の「GET A NOTE ~下駄の音ver.~」、NHK大河ドラマ『西郷どん』パワープッシュソングの「SEGODON」、ダイハツ『トール』CMソングの「KATOKU」など全10曲を収録。また「歴史縛りファンクネスバンド」というコンセプトのもと、毎回豪華なゲストが参加することで知られるが、今作においても三浦大知や上原ひろみを始めとする、ジャンルも様々な錚々たるアーティストがゲストとして多数参加している。

 まず、『ムキシ』について、SoundScan Japanのセールスデータから、『ムキシ』発売週(2018年39週:集計期間2018年9月24日~2018年9月30日)の地域別の販売数の割合を調査した。括弧内は2018年(2018年39週時点)の全アルバムの地域別販売比率を表す。

北海道 5.7%(4.4%)
東北 8.6%(6.8%)
関東 38.7%(41.5%)
甲信越 3.2%(3.2%)
北陸 2.4%(2.2%)
中部 9.5%(11.4%)
近畿 16.5%(14.9%)
中国 3.8%(5.0%)
四国 1.7%(2.1%)
九州 9.9%(8.5%)

 北海道、東北、近畿、九州で括弧内に示す全アルバムの平均値を上回っていることがわかる。特に北海道(平均4.4%の→5.7%)、東北(同6.8%→8.6%)の割合が顕著に大きい。ポイント差にすると近畿の1.6%差の方が大きく見えるが、近畿の16.5%が平均(14.9%)の約1.1倍であるのに対し、北海道は平均の約1.3倍、東北も平均の約1.26倍だ。良い意味で平均からの逸脱ぶりが最も顕著なのは北海道と言えるだろう。

 この傾向は以前からなのか、前作『Vキシ』についても同様に『Vキシ』発売週(2016年25週:集計期間2016年6月20日~2016年6月26日)の地域別の販売数の割合を調査した。括弧内は2016年(年間)の全アルバムの地域別販売比率を表す。

北海道 4.9%(4.6%)
東北 7.9%(6.9%)
関東 41.5%(40.1%)
甲信越 2.3%(3.2%)
北陸 2.1%(2.4%)
中部 9.3%(11.7%)
近畿 16.8%(14.7%)
中国 4.5%(5.3%)
四国 1.8%(2.4%)
九州 8.9%(8.7%)

 やはり2018年39週と同様の北海道、東北、近畿、九州、さらに関東で括弧内に示す全アルバムの平均値を上回っている。だがいずれの地域も平均値との差はわずかだ。この2作の販売傾向からは、北海道、東北、近畿、九州で人気が高いこと、その特徴は以前よりも強まる方向に進んでいることが推測される。

 では前作『Vキシ』の現在の販売比率はどうなっているか、『ムキシ』発売週(2018年39週:集計期間2018年9月24日~2018年9月30日)時点での累計売上枚数から地域別販売比率を算出してみた。括弧内に『Vキシ』発売週の地域別販売比率を示す。

北海道 5.1%(4.9%)
東北 8.4%(7.9%)
関東 37.3%(41.5%)
甲信越 2.9%(2.3%)
北陸 2.4%(2.1%)
中部 10.1%(9.3%)
近畿 16.9%(16.8%)
中国 5.6%(4.5%)
四国 1.8%(1.8%)
九州 9.7%(8.9%)

 北海道、東北、近畿、九州のいずれも発売週の比率よりも上昇していることがわかる。これらの地域で人気が高い傾向が『Vキシ』発売当初よりも強まっている裏付けと言えよう。

 また、レキシツアーにおけるライブの開催地にも同じような傾向が表れている。2016年には各地方で1都市で開催していた(ただし大阪は2日間)のが、2017年のツアーでは北海道、東北、近畿で2都市、九州と関東は3都市で開催しており、売上比率との符合が興味深い。『ムキシ』の販売比率が今後どのように変化するのか、また売上がどのように推移するのか、今後の動向に注目したい。