坂本龍一ドキュメンタリー映画がベネチア国際映画祭へ
坂本龍一ドキュメンタリー映画がベネチア国際映画祭へ

 世界的音楽家である坂本龍一を追ったドキュメンタリー映画の正式タイトルが『Ryuichi Sakamoto: CODA』に決定。2017年11月4日より全国公開となるが、8月30日(現地時間)にイタリア・ベネチアで開幕する【第74回ベネチア国際映画祭】の「アウト・オブ・コンペティション部門」に公式出品されることが決定した。

 1978年に「千のナイフ」でソロデビューを果たした坂本龍一は、同年、細野晴臣、高橋幸宏の3人でイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を結成。80年代には、『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』に出演しその音楽も手がけ、多くの賞を受賞。映画音楽家としての地位も確立した。以後、作曲家、演奏家、音楽プロデューサーとして幅広いジャンルで活動。90年代後半になると、社会問題・環境問題に意識を向けるようになり、その変化は音楽表現にも表れていった。2014年には中咽頭がんと診断され、1年近くに及ぶ闘病を経て復帰。そして今年2017年春、8年ぶりのオリジナルアルバム『async』をリリース。現在65歳、その40年以上にわたる音楽活動において多くの作品を生み出し続けている。

 そんな坂本の震災以降における音楽表現の変化に興味をもち、2012年から5年間に渡る密着取材を始めたのは、本作が劇場版映画初監督となるスティーブン・ノムラ・シブル。坂本が「全てさらけだした」という本作は、過去の旅路を振り返りながら、新たな楽曲が誕生するまでの、坂本の音楽と思索の旅を捉えたドキュメンタリーとなっている。映画タイトルにある「CODA」とは、一つの楽曲や各楽章の終わりに、終結の効果を強めるためにつけ加える音楽用語。特性として、変調やキーの変化を示すことが多い。

 なお、坂本にとって【ベネチア国際映画祭】は、2013年にコンペティション部門の審査員として参加したゆかりの深い映画祭。今度は自身の出演作品が日本での公開に先駆けてワールドプレミアを果たすこととなった。



◎公開情報
映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』
2017年11月4日(土)角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
配給:KADOKAWA
出演:坂本龍一
監督:スティーブン・ノムラ・シブル
プロデューサー:スティーブン・ノムラ・シブル エリック・ニアリ
エグゼクティブプロデューサー:角川歴彦 若泉久央 町田修一 空 里香
プロデューサー:橋本佳子
共同制作:依田 一 小寺剛雄
撮影:トム・リッチモンド, ASC 空 音央
編集:櫛田尚代 大重裕二
音響効果:トム・ポール
製作/プロダクション:CINERIC BORDERLAND MEDIA
製作:KADOKAWA エイベックス・デジタル 電通ミュージック・アンド・エンタテインメント 
制作協力:NHK 共同プロダクション:ドキュメンタリージャパン
2017年/アメリカ・日本/カラー/DCP/尺確認中
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