5年生の娘が夏休みに入った。中学受験する友達は、塾の夏期講習で休みの半分くらいはつぶれてしまうというが、彼女は塾に行っていない。アウトドアは苦手なので外で真っ黒になるまで遊んだりもしない。

 娘は毎日、扇風機が回っている6畳の自室で、ただ、ひたすら絵を描いている。いつもは取り組めない長編マンガや大きなサイズの絵を描くのに夢中になり、何時間も部屋にとじこもっている。

 普通の母親なら心配になるところかもしれない。夏休みなのだからお友達と外で遊んだら? と水を差してしまうかもしれない。でも私は彼女に何も言えない。なぜなら私自身も、部屋にこもって何時間も、時には朝まで原稿を書き続けているから。そして娘はそんな私を見て育っているのだから。

 最初は私のマネをしているのかなと思っていたけれど、「締め切りに追われているママごっこ」にしては随分と続いている。どうやら本当に絵が好きらしい。

 最近はiPadでも絵を描く。指で画面の隅にずらっと並ぶ色鉛筆の中から好みのものをチョイスし、指でつらつらっと女の人を描く。私は絵は絵筆で描くものと思ってきたので、デジタルキッズの器用な指使いに感心するばかりだ。昔、雪舟は自分の涙を使って床に足の親指でネズミを描いたという。そのことを思い出してしまう。私にとっては、指で描くという行為自体がミラクルなのである。

 そんな時、昨年一緒に原宿のギャラリーを貸し切ってiPhone作品の展示をした仲間から「今年もやるよ」と連絡があった。私は去年はiPhoneで撮ったイケメン展をしたのだけれど、今年は娘の絵を展示することにした。iPad絵が溜まっているのでそれを100枚展示したら本人の励みにもなることだろう。料金22600円は結構高いけれど、絵の道に進みたいというし、一度、自分の絵を人様に見ていただくのも通過儀礼のようなものだと思ったのだ。

 娘は夏休みもスケッチ大会、水墨画体験など、絵の予定ばかり入れている。そんな中、無料油絵体験があった。ぜひやってみたいというので申し込みの電話を入れた時に初めて「親子油絵体験」だということを知った。きっと娘のほうが上手だろうから、今からちょっとビクビクしている。

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