リリーフタイプのサウスポーではオリックスの山田も実績十分だ。外国人投手と若手の台頭もあって今年は一軍での登板機会は少ないが、貴重な左腕だけにまだまだ市場価値は十分に残されているはず。
一方の野手ではロッテの平沢、菅野の2人が面白い。ともに今年は一軍の戦力となっていないが、パンチ力は大きな魅力であり、平沢は若さ、菅野は打つ以外のプレーのレベルの高さも大きな魅力となっている。ロッテも得点力不足に悩んでいるだけに簡単に放出することはなさそうだが、本人たちにとっては環境を変えることがプラスになる可能性もありそうだ。
もう1人貴重なパワーヒッターとして人気になりそうなのが真砂だ。右打者で柳田悠岐に負けない力強いスイングをすることから“ミギータ”の異名をとるように、そのパワーは誰もが認めるところだが、なかなかその才能を開花することができずにプロ入り10年目を迎えている。チームは他にも若手の外野手が多く、なかなか一軍で出番がないことを考えると、他球団でプレーしている姿を見てみたいと思う関係者も多いはずだ。
冒頭でも触れたように6月は秋山翔吾の広島入団以外は大きな動きはなかったが、水面下での動きがあることは間違いない。トレードによってブレイクする選手もいるだけに後半戦に向けて、積極的に動く球団が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。