6月に撮影された風太くん(千葉市動物公園提供)
6月に撮影された風太くん(千葉市動物公園提供)

 とはいえ、全国各地で40度越えを記録する連日の猛暑、病み上がりの風太くんでなくても大変そうだ。

「あまりに暑くてバテています。元々レッサーパンダは夏の暑さには弱いです。室内と屋内を行き来する扉を開けていますが、風太くんは10分しないうちに室内に入ってしまっていますね。体調が回復した直後は室内と屋外を行き来していたのですが、この暑さで室内にいることが多いです。残念ながら来園者のみなさんはあまり風太くんを見られないのですが、出てくるかは風太くん次第ではあります」(水上さん)

 風太くんは03年7月5日に静岡市立日本平動物園で生まれた。04年3月に千葉市動物公園に引っ越してきて、05年に背筋をピンと伸ばしたりりしい立ち姿で一躍人気者に。10年以上たった今も千葉市動物公園のマスコット的存在だ。どうしてこんなにも風太くんに魅了されるのか? 前出の「風太ァズ」の中野さんはこう解説する。

「飼育員さんから聞く特徴によると、結構ビビりなところもあるし、レッサーパンダなのに寒がりだったり。そして俺様キャラなんですよ。風太くんから他の仲間にケンカを売るけど、先に逃げてしまうなんてところもあって、ずいぶん面白い子だなと思ってハマりました。犬やと違い、まだ謎があるというか、レッサーパンダはこういうものだという確立したものを理解してないのも魅力、というか見ていて楽しいです。好物のリンゴは“ちょうだい、ちょうだい”ってするけど、人間にこびたりはしない。かわいい見た目なのに、したたかさはなく、本能のまま。そういうところも見た目とのギャップがあってかわいいなと思います」(中野さん)

 そう話す中野さんは、風太くん愛を語り出すと止まらない。

「風太くんは“立っただけのアイドル”ではないので、いろいろなところを知ってもらいたい。風太くんは繁殖も頑張って、たくさんの子孫を残しました。そういう功績も伝えていきたいなと。“風太くんって、あの立った子でしょ!?”だけではちょっと寂しいと思っています」(中野さん)

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