YouTubeのコンテンツは、意外なほどに緻密な計算と分析によって制作されているのです。ほとんどの再生されている動画は、クリエイターが明確な意思を持って、再生させるために制作しているコンテンツという点で、非常に特殊です。クリエイターが、何年もかけて分析して作り上げたコンテンツなので、子供たちが長時間視聴をしたくなるのも仕方がないかもしれません。
では、そのコンテンツが子どもたちにとって役にたっているのか、という点が、冒頭のツイートの問題提起だと思います。ディズニーやジブリなどが製作するコンテンツは、栄養バランスが考えられた精進料理や、緻密で繊細なフランス料理のような洗練されたコンテンツ。一方、YouTuberの動画は、栄養はほとんどなくても好まれる、お菓子やジャンクフードのような子供たちを夢中にさせてしまうコンテンツかもしれません。気晴らしに摂取するには良いのですが、それだけだと健康的とは言えません。コンテンツも同様で、子供が情報を受け取る源がYouTubeだけというのは、健全ではなく、視野が狭くなる可能性があります。
YouTubeの面白さと、一般的なアニメや映画の面白さは異なります。本や漫画や図鑑の面白さ、ブログやラジオの面白さなど、媒体によって面白さの質も種類も異なります。もちろん、外遊びやお出かけやスポーツ等のフィールドワークの面白さも異なります。この面白さの違いを理解できなかったり、知らないということは、機会損失にもなりえます。アニメだけを見ていた人が、優れたアニメーターになれないのと同様に、YouTubeだけを見ている人は、優れたYouTuberにはなれません。可能な限り、多くの種類の面白さに触れたいものです。