夏休みに入り、子どもがYouTubeを視聴する時間が普段よりも増えてしまったご家庭も少なくないと思います。
ひと昔前には、テレビの長時間視聴について賛否がありました。先日、ツイッターで、「子どものうちにジブリやディズニーの映画を見ておくとのちのち財産になると思う、YouTubeの雑な動画を見てもほとんど意味がない気がする、それでも子どもがYouTubeを見てしまう、YouTubeの動画が嫌い」という内容のツイートが話題になりました。このツイートは、非常に良い指摘だと思います。
なぜ子どもは長時間、YouTubeを視聴してしまうのでしょうか。それはYouTuberがそうなるようにコンテンツを作っているからです。YouTuberは、クリエイターというよりも、実はマーケターの性質が強いのです。視聴者が望む動画を作ると、動画は再生され、収益も多くなります。これは、どのジャンルでも言えることで、例えば教育系やハウツー系の動画でも、事細かく膨大な量の情報を詰め込んだ”充実した”コンテンツよりも、視聴者が見ただけで「わかった気になる」、「薄い内容を面白く紹介した」動画の方がヒットしやすい傾向にあります。教育という点では前者の方が優れたコンテンツですが、視聴者は必ずしも大学の講義のような完璧な知識を求めている訳ではないのです。こうした傾向を把握してYouTuberは動画を制作します。
YouTubeの管理画面であるアナリティクスは、どのプラットフォームよりも詳細なデータをクリエイターに提供します。動画の再生回数だけでなく、サムネイル(画像)のクリック率や1秒ごとの視聴者維持率(視聴者の何%がその時点で離脱せずに視聴しているか)、再生されている地域や時間帯など多岐に渡ります。複数のパターンの動画の数字を比較することで最適な要素を見つける作業もします。ものすごく単純に言えば、テロップは赤がいいのか、青がいいのか、などの細かなデータがそれぞれのYouTuberに集積されています。