回り道をしたように見えるが、今年でプロ4年目の22歳とまだまだ若い。来年に同学年の大卒ルーキーが入団してくることを考えれば、根尾は決して遅咲きではなく投手として大成する可能性を十分に秘めている。
一方で気になるのが中日の育成方針だ。立浪監督は後半戦も救援で起用し、将来的には先発で育てる方針を明言している。在京球団の元トレーナーは「長期的視点で根尾を育てるならば、今からでもファームで体作りから始めた方がいい」と提言する。
「今は才能だけで投げている。投手は野手では使わない筋肉を使っているので、本格的に投手としてのトレーニングを積んでいない根尾は故障のリスクが高いと思います。1軍でも通用することは見せられたので、後半戦は来年以降を見据えて体作りの土台から作り直して、投手としてのスキルを磨いた方がいい。現状最下位で優勝争いに加わるのも厳しいですし、ケガをしたら元も子もない。救援で消耗してほしくないですね」
1軍で各球団の強打者と対戦する登板機会は、今後の成長に向けて大きな財産になるだろう。中日ファンからも根尾の登板を楽しみにする声が多い。しかし、故障してしまうと成長速度も鈍ってしまう。「投手・根尾」をどう育てるか。中日の大きなテーマになりそうだ。(梅宮昌宗)