民放ドラマ制作スタッフも、黒島のキャリアについてこう評する。

「今回の朝ドラと同じく羽原大介氏が脚本を手掛けた『マッサン』や戸田恵梨香さん主演の『スカーレット』といった朝ドラに加え、『花燃ゆ』、『いだてん~東京オリムピック噺~』といった大河ドラマなど、NHKでの確固たる実績があります。朝ドラや大河に関しては老若男女を問わず幅広い視聴者層が楽しむ番組なので、年配層からもウケが良い女優が重宝されているんです。そういう意味では本来、朝ドラヒロインとの相性は非常に良い。今作に関しては役柄に対して視聴者からさまざまな意見が出ているようですが、彼女は健康的で透明感がある一方で、りりしさやひたむきさも感じさせます。今後も業界では重宝されるでしょう」

■川栄李奈も憧れる存在

 そもそも演じるキャラクターと本人の人格は別。朝ドラを見て黒島を嫌いになるのは、お門違いとも言える。

 実際、“素”の黒島の性格には、思いやりのある優しい人柄がうかがえる。「SPUR」(集英社、5月16日配信)では、保護施設から引き取った元保護犬2匹を飼っていることを告白。家族のような存在で、朝と夜の散歩は欠かさず、生活も規則正しく変化。「私がいなくなったら生きていけないこの子たちのために自分も健康でいなきゃ」と思うようになったという。また、大学で写真学科に通っていた黒島だが、自身のインスタは風景の写真がほとんどで、女性タレントにありがちな自撮りや持ち物をひけらかすような投稿がないところも好感が持てる。

「同業者からも慕われているようです。例えば、高校の同級生でもある中条あやみとは一緒に沖縄に行ったこともある間柄。その時、外でキャンプのように野宿する予定のはずが、テントが小さすぎて寝られないため、突然、黒島の実家に泊まることになったとか。中条は『(黒島の家族が)温かくて本当に優しかった』とトーク番組で振り返っていました。また、4月に杏のYouTubeチャンネルに出演し、仲良く沖縄料理を作っていたのも印象的です。2~3カ月に一度は会う仲で、撮影が終わったら一緒に旅行やキャンプなどに行きたいと話していました。10歳以上年上の大先輩ともそうした関係を築けるのは、やはり人間的に魅力のある人なのでしょう。さらに川栄李奈も共演した黒島に関して、『こんなに熱量を持って、一つの作品に集中して取り組んでいるのを見て、自分もそういう風になりたいなと思いました』と情報番組で明かしていました」(同)

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役柄が嫌われながら人気女優になった例も