ボクシング専門メディアが、ほぼ皆無の日本では国内戦での日本人対決が取り上げられることは少ない。しかし「ライバル関係こそが名ボクサーを輩出する要因の1つ」と語る。

「ボクシングの根幹は同階級で誰が一番強いかを決めること。だからこそ同階級での日本一を争うライバル関係が盛り上がります。井上がやっていることも同じです。4団体王座統一を目指すのは、同階級での世界一になりたいからです」

 井上が現在保持するWBA、WBC、IBFに加え、WBOを含めた4団体統一王者の期待が高まる。仮に実現した場合は各メディアが取り上げ、日本中が大いに熱狂するだろう。しかし、規模が小さくなろうとも、ボクシングにおける基本概念は国内での試合でも変わらない。

「一番強くなるため」に切磋琢磨するボクサーたちの姿が我々の心に刺さるのだろう。(文中の敬称略、タイトルは当時)


(文・山岡則夫)


●安河内剛/1961年4月3日、福岡県出身。ボクシング審判員、日本ボクシングコミッション (JBC) 元事務局員。早稲田大在学中にプロボクシングC級ライセンス取得。1994年JBC職員となり国際部長、事務局次長、事務局長を歴任。

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