エンゼルスの大谷翔平(ロイター/アフロ)
エンゼルスの大谷翔平(ロイター/アフロ)
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 今季のメジャーリーグもレギュラーシーズンは残り1カ月。ただし日本人ファンの多くが気になっているのは、プレーオフ争いよりもア・リーグのシーズンMVP争いの方だろう。果たして大谷翔平選手(エンゼルス)の2年連続のMVP獲得はなるのだろうか。

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 まずは現状の確認から。ア・リーグのMVP争いは、すでにベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2ケタ勝利・2ケタ本塁打」を達成した二刀流の大谷と、シーズン61本塁打のア・リーグ記録を61年ぶりに更新するペースをキープしているアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)の一騎打ちと言っても過言ではない。

 2人のライバルになり得る存在としては、ヨルダン・アルバレス外野手(アストロズ)とホセ・ラミレス三塁手(ガーディアンズ)がいるが、大谷とジャッジほどのインパクトには欠けている。これは8月初めにMLB公式サイトが実施した有識者たちによるMVP模擬投票の結果からも明らかだ(詳細は後述)。

 当たり前と言えば当たり前だが、ヤンキースの本拠地ニューヨークのメディアはジャッジ優勢と報じ、エンゼルスの地元ロサンゼルスのメディアは大谷が有利と伝える。そして日本のメディアもファンが喜ぶであろう大谷寄りのニュースや、エンゼルスの選手や監督たち、そしてファンが大谷をたたえるコメント記事が多い。なのでここではMLB公式サイトを始めとしたフラットな立場での報道や客観的なデータを基に分析してみる。

 先ほど触れた模擬投票では、43人の有識者のうち37人がジャッジに1位票を入れたのに対し、大谷には6票だった(3位のアルバレス以下は1位票なし)。米スポーツベッティング会社「ドラフトキングス」のオッズではジャッジが1.21倍、大谷は4.5倍。8月上旬時点ではあるが両者には大きな差がついている。

 大谷にとって最大のアピールポイントは、唯一無二の投打の二刀流であること。そしてルース以来となる100年越しの偉業を成し遂げたことだ。だがジャッジとてこのままいけば60年以上前のロジャー・マリスの記録を更新することになる。大谷の二刀流が「誰も挑戦すらしてこなかった偉業」だとすれば、ジャッジの本塁打は「大勢が挑みながら届かなかった偉業」だ。ここに優劣をつけるのは、もはやどちらに思い入れがあるかでしかないかもしれない。

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データで有利なのはジャッジ?大谷?