素晴らしい成績を残せば当然年俸は上がってくるが、今のヤクルトには“大幅アップ”を期待できる条件も揃っている。

 主力商品である健康飲料の売り上げがアジア、欧米で爆発的に伸びている。国内でも機能性表示食品「ヤクルト1000」の売り切れが続出したことが話題となった。大谷がプレーするエンゼルスの本拠地球場でも大々的に広告を出しているのは有名。サッカーなど他競技でも広告を見かけない日はない。

 本拠地・神宮球場の風景も大きく様変わりした。空席が目立っていたのは過去の話で、現在では勝敗や対戦相手関係なく多くのファンで溢れかえっている。ファンクラブ会員や公式チケットサイト「スワチケ」の登録人数も右肩上がりで増加。球団の公式ダンスチーム「Passion」による「ツバメダンス」なども話題となり、人気チームに変貌を遂げている。

「球団の懐事情は大きく改善し、チケットセールス、グッズ販売などを含め利益が出ている。2020年オフに山田哲人と7年総額40億円という大型契約を結べたのも、球団経営が順調な証拠。当時は伸び始めた営業成績維持のため、球団の顔・山田との契約は絶対条件だった。契約延長2年目にチームも日本一になり言うことなし。村上にも同様の効果を期待しているはず」(大手広告代理店関係者)

 また、将来的なメジャー移籍も噂される村上については、米国に渡るまでの期間を見越して、このオフに複数年の契約を結ぶのではないかという見方もある。

「現在はメジャーの規則があり25歳以下はマイナー契約しか結べない。これまで渡米した選手の例を見ても、メジャー契約を結ばないと米国での立場がかなり弱くなるケースが多い。よって今年で23歳となる村上も最低3年間はメジャー挑戦はないと考えられ、その間は複数年契約になる可能性もある。その後はポスティング制度でのメジャー挑戦を含め、本人の気持ち次第になる。そこまで気を遣っての契約交渉をすべき選手。球団、球界の宝です」(在京球団編成担当)

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複数年の場合、現実的な年俸の額は…