──加橋さんは以前から「ザ・タイガース再結成はもうない」とおっしゃっていたのに、今回の発表に関連してインターネット上では「なぜ出ない」という批判があって気の毒に感じました。
瞳:芸能界復帰以前の僕もそうでしたが、加橋もザ・タイガースにはそうとう複雑な思いがあるんでしょうね。人一倍繊細な男なので、参加する、しないは本人の意思として尊重してあげてほしいと思います。それに別に今回にこだわらなくても、今後、加橋が参加したくなるような企画を考えればチャンスはあるんじゃないかな。13年に四十数年ぶりに再結成した時のようにファニーズの楽しかった頃を思い出せるような内容なら、もしかすると……。
──ともあれ4人が集まるステージも19年以来のこと。岸部四郎さんが亡くなってからは初なので楽しみですね。
瞳:そうだね。長いコロナ禍で外出を控えていた人も多いだろうから、この機会にみんなで楽しみたいね。ドラムセットを持っていくのはけっこう骨が折れるので(笑)、せっかくならいろいろ演奏させてほしいと思っています。
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加橋の不参加についてインターネット上では「どうして?」とファンの悲鳴や批判が起こったが、筆者は以前、加橋にインタビューした際の感触から「やっぱり加橋さんは来なかったな」とそこまでショックは感じなかった。残念なことだが、それも一人のアーティストがよくよく考えた上での判断なので誰に責めることができるだろうか。
ともあれ、70代半ばという老齢に至っても一筋縄ではいかない言動で、まだまだファンをやきもきさせるザ・タイガースの面々。しかし、それだけ強い思いや個性が備わっているからこそ彼らは時代のスターとなり得たのだろう。ザ・ビートルズが解散後、度々結成を噂されながらも結局一度も相まみえることがなかったことを考えると、ザ・タイガースのファンは恵まれている。今後も彼らの活動を温かく見守っていきたいものだ。(中将タカノリ)
※週刊朝日 2023年3月10日号
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