オリックスが今オフにFA戦線で乗り出す可能性が高いのは、チーム事情にも起因する。伏見が今年6月に国内FA権を取得し、吉田正、若月、山崎福も順調にいけば来季中にFA権を取得する。吉田はメジャー球団の評価が高いことから、流出に備えて強打者の獲得に動いても不思議ではない。

 FA戦線で獲得に乗り出す有力候補が西武・森友哉だ。大阪出身で小学生の時はオリックスのジュニアチームに在籍していた縁がある。若月、伏見と能力の高い2人の捕手がいるが、リーグ屈指のミート能力を誇る森は大きなプラスアルファが期待できる。27歳と若いのも大きな魅力だ。広島の西川龍馬もクリーンアップ、チャンスメーク役の1、2番を任せられる巧打者で他球団の人気が高い。オリックスの外野陣は杉本、福田周平、中川圭太が基本的な布陣で吉田は指名打者に回ることが多い。杉本、福田は打撃不振でファーム降格を経験するなど、決して盤石ではない。西川がFA権を行使した際は、獲得に動く可能性が考えられる。

 その他にも左の救援陣は層が薄いため、阪神・岩崎優、岩貞祐太は補強ポイントに合致する。オリックスはFA戦線でも主役になるか。その動向が注目される。(梅宮昌宗)