「真面目で堅物そうな雰囲気もあるが、記者の質問には熟考してしっかり答える。チームメイトと冗談を言って笑っている時も多い。結果が出ない時でも態度が変わらず、心が揺れている姿を見たことない。とても22歳には見えない。飛び抜けた結果も出しているから誰もがついていく」(在京テレビ局スポーツ担当)

 村上は大卒1年目と同じ年齢でまだまだ若いが強烈なカリスマ性も備わりつつある。最近では見かけなくなったタイプの“昭和”を思わせるチームリーダーだと評する人たちも多い。

「時代の流れもありチームの形も変化している。近年、連覇を果たした広島、ソフトバンク巨人などにも強烈なリーダーシップのある選手は存在しなかった。複数の選手が結果を残すことで組織がまとまり、勝利という結果を残した。一方で村上は1人でチームを引っ張ることができる昭和の雰囲気を漂わせる選手です」(在京テレビ局スポーツ担当)

「タイプ的には“アニキ”と呼ばれた金本知憲(広島、阪神)に似ている。自身のバットで結果を残しつつ周囲へ気を配ることもできる。言動と背中の両方でチームを引っ張る。デッドボールを受けても試合に出続けたこともあった。阪神戦でサイン盗みの騒動が起こった時は自らアピールしてクレームをつけた。年齢など関係なくヤクルトのリーダー」(阪神担当記者)

 昨年には“サイン盗み”の疑惑があった阪神ベンチに1人で詰め寄り抗議した。今年は本塁打を量産し始めてからは相手から執拗なマークを受け、12日のDeNA戦(横浜)では死球を受け途中交代となったが、翌日の巨人戦では痛みに堪え試合に出場した。技術的、精神的、肉体的な強さが共存する凄みが村上にはある。

「野球に対する思い、芯の強さを感じる。そこは同学年の清宮幸太郎(日本ハム)との大きな違い。清宮は結果が出ないと落ち込んでしまい、練習に集中できなくなることもあるが、村上は結果が出ない日はバットを振って悔しさを払拭する。試合翌日には、早出特打ちするのも普通の光景」(在京球団スカウト)

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