ディープボンドは2年連続出走というプラスポイントはあるものの、昨年が最下位というのはさすがに評価しづらい。タイトルホルダーと同じ宝塚記念(4着)以来というローテーションも割引となる。
年初に中東の長距離重賞を逃げて2連勝し、8月には仏G2ドーヴィル大賞も逃げて2着のステイフーリッシュは注文通りの展開に持ち込めるかどうか。タイトルホルダーとの兼ね合いもさることながら、力量的には伏兵の域を出ないだろう。
というわけで本稿の最終結論。本命にはルクセンブルクを推したい。やはり長期スパンで凱旋門賞を目標としていた点が路線変更組よりも高く評価できる。9月初めの時点に出した展望では隠し玉としていたものの現在は1番人気となってしまったが、日本からの馬券購入ならば日本馬への補正がかかる分だけ妙味が残るかもしれない。
対抗は昨年の参戦実績を重視してトルカータータッソ。今年は昨年ほど重い馬場にはならない見込みだが、それでも今週のパリは雨予報が続くだけに軽視はできない。3番手以下でヒモ穴を狙うならば、距離と馬場に適性を示して臨戦過程も悪くないバブルギフトと、前走の愛チャンピオンSでルクセンブルクと接戦だったオネスト。後者は陣営のブレが気にはなるが、この馬が勝ったパリ大賞は2着のシムカミルが仏G2ニエル賞でドウデュースを下しての1着、4着のエルダーエルダロフがG1英セントレジャーを制覇したことで評価が上がっている。
日本馬は今年も苦戦という予想だが、1頭をチョイスするならば曲がりなりにも9月に前哨戦を使い、内が有利とされる凱旋門賞(しかも今年は他頭数)で3枠を引いたドウデュースか。
世界中の競馬ファンが注目する今年の凱旋門賞は、日本時間の10月2日、23時5分に発走予定だ。(文・杉山貴宏)