いよいよ10月2日に仏パリロンシャン競馬場で行われるG1凱旋門賞の枠順が決まり、決戦へのおぜん立ては整った。今年は出てくれば大本命と見られていた欧州最強馬バーイードが回避したこともあって20頭立ての混戦模様。そのうち4頭を占める日本馬たちの悲願達成はあるだろうか。
近年は10頭そこそことなることも珍しくなかった凱旋門賞が20頭立てで行われるのは2014年以来。その8年前は前年にオルフェーヴルを下して勝利した女傑トレヴが精彩を欠いていたこともあってチャンスありと踏んだ陣営の参戦が多かった。
日本からもジャスタウェイ、ハープスター、ゴールドシップが挑戦。1番人気には英オークスとキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを連勝した3歳牝馬のタグルーダが推されていたが単勝オッズは5倍台と抜けた存在ではなく、終わってみればトレヴが劇的な復活勝利で凱旋門賞連覇の偉業を達成している。2着は前年の8着馬フリントシャーだった。
前置きが長くなったが8年前を教訓とすると、混戦模様となれば凱旋門賞を走ったことがあるという経験は想像以上に大きいのかもしれないということ。今年の出走馬で2年連続の挑戦となるのは、連覇を狙うトルカータータッソを筆頭に、5着のシリウェイ、8着のバブルギフト、9着のアレンカー、11着のブルーム、そして最下位の14着だった日本のディープボンド。この中では、地力のあるトルカータータッソはもちろん、昨年のニエル賞1着に今年のフォワ賞2着とパリロンシャンの2400メートルに適性のあるバブルギフトが面白そうだ。
今年が20頭立てとなったのは冒頭に書いたようにバーイードが凱旋門賞を回避したことが要因だが、そのバーイードが引退レースにG1英チャンピオンステークス(芝10ハロン)を選んだことで、本来なら中距離路線の総決算であるそこを目指すはずだった有力馬たちが、バーイードとの対戦を嫌ってクラシックディスタンスの凱旋門賞に方向転換した節もうかがえる。具体的に言えば、芝10ハロンのG1アイリッシュチャンピオンステークスからの参戦組だ。