敵はドイツだけではない。スペインの選手たちを見ると、市場価値トップは19歳の天才MFペドリ(バルセロナ)で9000万ユーロ(約129億円)。2位がロドリ(マンチェスター・シティ)で8000万ユーロ(約115億円)、3位が18歳のガビ(バルセロナ)で7000万ユーロ(約100億円)。4位はオヤルサバル(レアル・ソシエダ)とアンス・ファティ(バルセロナ)の2人が6000万ユーロ(約86億円)で並び、上位5選手の合計額は3億6000万ユーロ(約516億円)。上位10選手ではドイツには及ばないものの、6億ユーロ近い5億8500万ユーロ(約838億円)となる。そして選手層はドイツ以上に厚く、上位26選手では10億3800万ユーロ(約1487億円)にのぼり、日本の約7倍。スペインの中盤を構成するペドリとガビの2人だけで計1億6000万ユーロ(約229億円)となり、日本人26選手の合計1億5190万ユーロ(約216億円)を上回るのだ。

 一方、日本がグループリーグ第2戦で対戦するコスタリカは、経験豊富な実力派GKナバスが市場価格トップだが、すでに35歳という年齢もあって660万ユーロ(約9億円)。MLSでプレーする25歳のランダル・レアル(ナッシュビル)が2位の440万ユーロ(約6億円)の値付けになっているが、日本人選手の中だと11位。コスタリカの上位5選手を見ても、合計額は1760万ユーロ(約25億円)で、冨安一人分よりも低い。上位10選手だと2420万ユーロ(約35億円)、26選手だと3000万ユーロ(約43億円)で、市場価値的にはグループ最低の評価。グループE組の全体を俯瞰すると、やはり“2強2弱”となっている。

 果たして、この「市場価値」通りの結果になるのか。この評価はあくまで市場上のことであり、ピッチ上では全く別物である。日本人ならば、そう信じたい。少なくとも、久保建英が今後は900万ユーロ(約13億円)以上の価値になること、伊東純也の実力ならば850万ユーロ(約12億円)でも安いこと、三笘薫の価値が300万ユーロ(約4億円)のはずがないことは、日本人ならば知っている。あとはそれをW杯のピッチ上で、しっかりと証明してもらいたい。(文・三和直樹)

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