例えば、『ジ・アスレチック』は「可能性は低いが」としながらも、「この契約は、トレード(の可能性)を排除するわけではない。どちらかといえば、大谷が年俸調停でどれほど年俸が上がるのかに懸念した他球団には、よりトレード(提案)を受けやすくなったかもしれない」と指摘している。
また、移籍情報サイト『MLBトレード・ルーマーズ』は「(トレード放出は)最も可能性の低いシナリオのように思えるが、大谷の来季年俸が早く決まったことは、興味を持つトレード相手にオファー案を考える時間を与えることになる」と述べている。
逆に、年俸が早く決まったことで、興味を示す他球団の来季の予算を組みやすくなり、トレードの条件も検討しやすくなったようだ。その結果、他球団を扱うメディアも反応した。例えば、ドジャースへの移籍を切望する意見が、『スポーツ・イラストレイテッド』系列の『ファン・ネイション』に掲載された。「大谷翔平のエンゼルスとの新たな契約がドジャースに与える影響とは?」と題した記事で、「大谷がどこに行くかは、読者の想像に任せるが、彼がアナハイムに残る可能性は薄い」と大谷の放出に期待する内容が書かれていた。「大谷の獲得は途方もない。ドジャースはメジャー選手(トレイ・ターナー級)と大量のプロスペクトを手放すだけでなく、ドラフトの指名権も手放すことになるだろう。また、金庫(総年俸の上限)を破る必要もある」とあるが、「(大谷には)その価値がある」と書かれ、大谷の放出に期待を寄せた。
さらに、同じ『ファン・ネイション』には、「エンゼルスの二刀流、大谷翔平がピンストライプに袖を通すのは時間の問題だろう」とニューヨーク・ヤンキースへの移籍を期待する記事も掲載されている。同記事にも、「大谷獲得には高いハードルはあるが、(同じ東地区の)ボストン・レッドソックスも、大谷のために大きく動く可能性があるため、ヤンキースは素早く動くべきだ」という意見が述べられていた。