ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が5日(現地時間:以下同)、今季最終戦となるアスレチックス戦に登板し、5回1安打1失点でシーズンの規定投球回に到達した。自己最多となる16勝目はならなかった。
エンゼルスは1日、大谷と来季の年俸3000万ドル(約43.5億円)で1年契約を交わしたことを発表した。大谷にとって今季はエンゼルスとの2年契約の最終年で、メジャーでは自身2度目の年俸調停の権利を得る予定でもあった。
大谷の年俸は今季の550万ドル(約7.9億円)から2450万ドル(約35.5億円)アップした。これは年俸調停対象選手としては史上最高額。大谷以前の最高額は、ロサンゼルス・ドジャースのムーキー・ベッツが2020年に当時、ボストン・レッドソックスと交わしたに2700万ドル(約39億円)で、「大谷は(ベッツの)過去最高値を11%も上回った」と、『ジ・アスレチック』の敏腕記者、ケン・ローゼンタール氏は伝えている。
大谷は二刀流で、2021年にア・リーグMVPを含む11の賞を獲得して全米に大旋風を巻き起こし、今季も「2桁勝利、2桁本塁打」、「30本塁打以上&200奪三振以上」、「規定打席&規定投球回」のダブル到達などメジャー史に新たな歴史を刻み続けている。そんな大谷の年俸が今オフにどれだけ引き上げられるのか注目されていた。
年俸調停権を有する選手は通常1月中旬の期限までに次の契約を結ぶケースがほとんど。期限を超えても交渉は続けられるが、契約がまとまらなかった場合は、2月中頃に行われる年俸調停委員会の聴聞会で裁定されることになる。エンゼルスは大谷との年俸調停を回避した。
この発表について、エンゼルスの地元紙『オレンジカウンティ・レジスター』は「このタイミングは異例だ」と伝えている。大谷は、今の2年契約を結んだ2021年、期限日(1月15日)までに交渉がまとまらず、2月8日に合意に至った経緯があるためか、地元メディアもシーズン終盤に合意に至ったことに驚いている。
これで大谷は来季もエンゼルスでプレーことが決まり、現地でも「今オフの問題が一つ解決した」と報じられている。また、全国紙『USAトゥデー』のボブ・ナイチンゲール記者はSNSで「(この契約は)エンゼルスが大谷をトレードに出さずに来季も残すことを示唆している」と、今オフのトレード放出可能性が消えたことを伝える。それにもかかわらず、現地ではまた「トレードの可能性が再浮上した」という声が出ている。