一方でLIVゴルフ組のポルターは「(LIVゴルフとの対立構造は)メディアが煽っているものだ。何も問題がないはずなので、それがあるかのようにストーリーが作られている」と自分たちの正当性を主張している。

 ブルックス・ケプカやブライソン・デシャンボーがLIVゴルフに移籍した際にも、マキロイは「(PGAツアー残留を表明した後の移籍は)二枚舌だ」と批判をしたが、これに対しても「考えは変わるものだ。自分と自分の家族にとって何がベストなのかを考えて決断した」と反応した。ここまでの選手のリアクションを見る限りでは、LIVゴルフ組のリアクションは冷静なものが多い印象を受ける。

 その中でCEOを務めるグレッグ・ノーマンは猛反発を見せている。LIVゴルフが人権問題などを抱えるサウジアラビアの資金で運営されていることへの批判に対して「他の選手の決断を恨むことはできない。彼らの決断は契約の中での正当なものだ。(批判については)偽善でしかない。PGAツアーのなかにも、サウジアラビア政府が関係を持つ大会がある」と話した。

 一向に終わりが見えない「PGAツアー vs LIVゴルフ」の戦いだが、9月末に行われた欧州ツアーの大会でマキロイは「ゴルフ界を壊したいとは思っていない。今の状況はどちらにとっても良くないし、話し合う時間を設けるべきだ」と、ややトーンダウンした発言もしている。

 LIVゴルフの世界ランキング付与問題など、まだまだ争いの火種は残っているが、今後はお互いが歩み寄りを見せるのか。ゴルフ界の発展を考えて、着地点を見つけてほしいと思うばかりだ。