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 頭の中で、こんな連想ゲームを繰り返していると、自分でも知らないうちに「言葉の反射神経」が鍛えられていきます。表現の柔軟性がアップして、「わわ、次は何を言おう」と迷ったその瞬間に、自然に言葉が出てくるようになっていきますよ。

■ラジオやテレビと会話する

 それともうひとつ、ラジオやテレビから聞こえてくる声と会話を続けるように、コメントを入れていくのもおすすめです。

 例えば、ドラマを見ながら登場人物に、
<◯◯さん、意外とお茶目なところがあるんですね>

 ニュースのコメンテーターの言葉に
<たしかにおっしゃる通り、現実はなかなか難しいですよねえ>

 ラジオショッピングの宣伝文句を聞いて、
<ちょっとまだ迷っているので、あと一押しください!!>

 などなど……心に浮かんだあらゆる思いを言葉に変換して口にしてみます。

 ポイントは、実際に相手を前にしてそのまま口にしても会話が続きそうな感想であること。

「はい、会話終了!」というネガティブなツッコミではありません。人の揚げ足をとるような鋭いツッコミセンスばかりを鍛えても、使う場所は限られてしまいますしね。

「コミュニケーションはまず傾聴」と言いますが、ただただ耳に全神経を集中させればいいのではなく、自然な反応を返し、「あなたの話をしっかり聞いています」と相手に示せてこそ。一人でブツブツラジオやテレビに話しかけるなんて……と思うかもしれませんが、だまされたと思ってまずは1週間お試しください。

 言葉の反射神経、筋力はいきなり成長しません。でも、日々積み重ねていけば、とっさの一言が出てくるようになります。「えっと、なんて返せばいい?」と考えすぎてモタモタしていた頃と比べて、焦ることなく相手と軽快なラリーができるように。

 雑談がどうも苦手という人も、相手のことをよく見ながら、まず一言返してみる。何も言わずに会話が続くことはありません。どんな小さな一言でも、ちゃんと相手に返すことで、会話力も育っていくと思います。

【ここまで聴いてくれたあなたへ】
日ごろの連想ゲームで、「とっさの一言」も自然に出る。

(構成/小川由希子)

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