
巨人復活への第一歩はチームの雰囲気を一新することから始まりそうだ。
今オフの動きを見てもチームを盛り上げられる人材が求められているようにも見える。“デーブ大久保”こと大久保博元氏を打撃チーフコーチとして迎え入れ、ソフトバンクを退団した松田宣浩の獲得に興味を示しているのもその流れの一環かもしれない。
近年の巨人はベンチが“暗い”と言われることも多い。特にチームが低迷すると比例するように練習中などで元気がなくなってしまうという。名門復活のためにもチーム内にポジティブな空気感が必要なのは明白だ。
「巨人は元々は明るい雰囲気が漂うチームだった。V9時代は太陽のような明るさを持つ長嶋茂雄氏を中心に勝ち続け、他球団が羨むほどの団結力があった。その後も“絶好調男”中畑清氏などキャラが立つ選手が多く在籍。江川卓氏の独特な雰囲気にもシニカルな明るさを感じた」(V9時代から巨人を知るスポーツライター)
「原辰徳監督も“陽”の空気感を持った人物で、現役時代から周囲を明るくするタイプ。言動に周囲も呼応し、雰囲気が良くなっていた。しかし近年は監督自身の明るさまでが影を潜めるようになった。(選手たちとの)世代間ギャップも出始め、求心力も下がり始めているとも感じる」(巨人担当記者)
原監督は2002年から2年間、06年から10年間、そして19年から3度目の指揮を執っている。その間にリーグ優勝9回、日本一3回を成し遂げ、09年のワールド・ベースボール・クラシックではチームを世界一に導いた名将だ。「ジャイアンツ愛」を前面に押し出し、グータッチで選手とコミュニケーションを図る。爽やかなルックスと明るい性格は、理想の上司像として話題にもなったが……。
「日本シリーズでの2年連続4連敗で風向きが変わった。日本一から遠ざかっていることもあり、チーム内で不安も生まれ始めているように感じる。精神論になるがこういう時こそ歯を食いしばって前向きに頑張るしかない」(巨人関係者)