「問題大臣」の首を次々と切っても、岸田内閣の支持率は回復の兆しを見せない。岸田文雄首相の外遊中に、自民党内では早くも次の首相候補の名前が語られ始めている。
「死刑はんこ発言」で葉梨康弘前法相が実質的に「更迭」されてから、はじめての朝日新聞社の世論調査が11月12、13日に実施された。
そこでは、「岸田内閣を支持しますか」という質問に対して、
支持する 37% (前回40%)
支持しない 51% (前回50%)
と、初めて内閣支持率が40%を割った。
同時期にあったNHKの世論調査でも、
支持する 33%(前回38%)
支持しない 46%(前回43%)
と、やはり支持率は最低を更新。朝日新聞、NHKどちらの調査でも、内閣支持率は危険水域の30%台に落ち込んでいる。
岸田首相は、現在、G20などの国際会議への出席のため外遊中。得意の外交で点数を稼ぎたいところだが、葉梨氏の「更迭」の対応で急きょ外遊日程を変更したため、一部の首脳との会談がキャンセルされる事態にもなった。
官邸関係者がこう語る。
「葉梨氏の更迭があった直後に実施された世論調査の数字を、岸田首相はすごく気にしていました。官邸も神経をとがらせて、速報が入るとすぐに現地の岸田首相に報告されました。旧統一教会問題以降、支持率はマイナス方向が続きますが、やはり30%台という数字はきつい。岸田首相も報告を受け、言葉少なく数字に見入っていたそうです」
朝日新聞の世論調査では、いったんは葉梨氏を続投させる考えを示しながら、一転して「更迭」した岸田首相の対応について、
評価する 32% 評価しない 59%
と、批判的な世論が見てとれる。
また、岸田首相の旧統一教会問題への対応については、
評価する 23% 評価しない 67%
と、「質問権」の行使決断があっても効果は薄く、低い数字だ。
自民党の大臣経験者がこう語る。