ガントは怪我の影響もあり登板すらできず参考にならない部分もあるが、実質的に活躍できたといえるのはロッテのオスナだけ。巨人の2人はチャトウッド同様に近年はメジャーでも結果が残せておらず、そのパフォーマンスがそのまま日本に移行されただけのように見える。メジャーでの通算成績を評価して高年俸となっているが、給料に見合った数字とは言い難いだろう。
逆にオスナは年齢的にも若く、怪我の影響でここ数シーズンはメジャーでは結果は残せていないが、3年前の2019年にはアストロズでリーグトップの38セーブをマークしているように、十分余力のある状態で来日している。母国メキシコリーグでも好投を続けており、他の選手と違い“鮮度”で差があったようにも思える。
過去を振り返っても、メジャー通算119勝(来日前時点)を挙げ、鳴り物入りでソフトバンクに加入したペニー(入団時33歳)が日本では1試合の登板のみで退団。また、メッツ時代の2011年に13勝を挙げるなど、通算51勝を挙げていた中日のジー(入団時31歳)も、血行障害の手術の影響はあったとはいえ、わずか4試合で0勝3敗という結果に終わっている。他にもオールスターの選出経験もある救援右腕のライアン・クック(巨人、来日時31歳)は13試合の登板で防御率4.80と振るわなかった。
最近では通算54勝(来日前時点)の左腕マット・ムーア(来日時30歳)が6勝3敗、防御率2.65と結果を残したのみで、あとの投手は軒並み苦しんだという印象だ。
さらに昔を振り返っても、2000年以降に来たメジャーの“大物投手”は、高年俸だが以下のように結果を残せず、帰国するというケースが目立つ。※メジャーでの成績は来日前
■パディーヤ(ソフトバンク・35歳)/年俸290万ドル(当時のレートで約2億6000万円)
MLBの通算成績:386試合 108勝91敗6セーブ28ホールド 防御率4.32
NPBでの成績:16試合 3勝6敗0セーブ3ホールド 防御率3.84
■オルティズ(オリックス・34歳)/年俸1億3000万円
MLBの通算成績:258試合 84勝80敗0セーブ0ホールド 防御率4.90
NPBでの成績:17試合 4勝7敗0セーブ0ホールド 防御率5.82
■ジョンソン(西武・33歳)/年俸3億5000万円
MLBの通算成績:239試合 55勝98敗0セーブ0ホールド 防御率4.99
NPBでの成績:7試合 1勝4敗0セーブ0ホールド 防御率4.35
■ジャン(阪神・32歳)/年俸2億4000万円
MLBの通算成績:472試合 33勝39敗51セーブ1ホールド 防御率5.14
NPBでの成績:21試合 6勝5敗0セーブ0ホールド 防御率4.66