小学生の頃からあたしンちの大ファンという俳優の松岡茉優さん。『あたしンちSUPER 第2巻』の発売を特集したAERAの記事に、あたしンち愛をつづってくれた。
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あたしンちと私の最初の出合いは、小学校低学年のころ。今はない近所の本屋さんで第1巻を買ってもらったことからです。その本屋さんに寄ると、何か1冊買ってもらえることが多く、その日もどれにしようかと悩んでいて。あたしンちのシンプルな装丁と元気の出る色味に惹かれて、手に取りました。家に帰って読んでみると、放送しているアニメと同じ作品であることに気がついて、子どもなりに、偶然の出合いが嬉しく、私だけの作品のような気持ちになりました。
あのときの私はユズヒコよりも小さかったのに、いつのまにかみかんよりお姉さんになって。それでも二人はいつまでも、自分よりちょっと年上のような気がしています。
働くようになり、自分でご飯を食べ始めてからは、家に帰ればアニメをつけっぱなしにして、寝る前にはかかさず漫画を読む。そうしないと寝られない夜が何度もありました。一人の寂しさを温めてくれたあたしンちは、家族でした。連載のなかった期間も、600話以上のアニメと、21巻の漫画を繰り返し楽しんでいたので、これからもずっとこうやって支えてもらうのだろうな、と思っていたら、まさかの新連載。そんな幸せが人生に起こって良いのか?と本気で思いました。
私はあたしンちが大好きな人が大好きです。配信されているアニメのコメントを読むと、いつだって一人じゃないし、同じ気持ちでいっぱいになる。けら先生、私たちは感謝で胸がいっぱいです。いつもありがとうございます。先生が、ゆっくりお茶を飲む時間があることを祈っています。(寄稿)
※AERA 2023年3月6日号