大宏池会構想で「次の首相」を担ごうと意欲満々だったという。

 岸田首相が、旧統一教会問題や円安、物価高などの経済問題に特効薬を打ちだせないなかにあって、世論調査でも「首相になってほしい人」では必ず上位に顔を見せるのが河野デジタル相だ。

「首相になってほしい人」上位常連の河野太郎デジタル相
「首相になってほしい人」上位常連の河野太郎デジタル相

 岸田首相は当然、岸田派のナンバー2、林芳正外相を後継にしたいところだが、岸田首相が退陣に追い込まれる形になると、同じ派閥からの出馬は難しいだろう。

岸田首相の本命は林芳正外相か
岸田首相の本命は林芳正外相か

 そうなると、麻生派、岸田派、谷垣グループの大宏池会構想で「次の首相」に近いのは河野デジタル相となる。

 前出の田村氏はこう見る。

「岸田首相が頼りなく、フラフラしているなかで河野氏待望論が盛り上がるのは当然。だが、河野氏は麻生派の一人で派閥のトップではない。麻生氏が河野氏を『次の首相に』と本当に推すのかがポイント。麻生氏は次の首相をきっかけに、大宏池会構想に打って出るチャンスでもある。河野氏は、旧統一教会など限られた問題ならいいが、首相という国家のかじ取りをまかされた場合、不安要素がつきまとうことは麻生氏もよくわかっているはず。安倍氏亡き後、キングメーカーをひた走る麻生氏。そしてもう一人、政治闘争の経験豊富で老練な二階俊博氏。その戦い次第で『次の首相』が絞られるのではないか。茂木氏、河野氏が中心だろうが、麻生氏、二階氏の駆け引き次第では想定外の候補もありうる」

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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