コスタリカ戦のメンバー選考は、タイトなスケジュールの中、主軸選手を起用し続けて決勝トーナメントで力を発揮できなかった東京五輪の反省もあって決断されたものだろう。初戦を終えたあとの各選手の疲労度をデータからも分析し、メンバー選考を行ったと思われるが、とはいえ、今回も吉田、遠藤、鎌田ら主軸は連戦になった。遠藤は右足を負傷し、翌日の練習は不参加。結果論とはいえ、スペイン戦も軸となる彼らは起用せざるを得ないだろう。

 スペインはグループ内最強の相手と言えるかもしれない。しかも彼らは第2戦でドイツと引き分けたために、日本戦にラウンド16進出がかかる。ボールポゼッション率の高さは大会でも屈指だが、ドイツ戦で目を引いたのは、ハイプレスの強力さと切り替えの早さだ。ドイツのお株を奪うハイプレッシャーで相手を押し込み、ボールを回収しては2次攻撃につなげていた。沸き出すようにボールホルダーを追い越す選手が現れて、敵陣に攻め込んでいた。

 日本としては、あのスピード感に飲み込まれないことが重要になる。ボールを持たれることを覚悟した上で、いかに戦っていくか。ここ2戦、日本は試合途中からフォーメーション変更したが、最初から3バックに両ウイングバックを加えた5バックを敷いて、カウンターを狙うことが最も得点の確率を上げるのではないか。2列目から走り込んでくる選手に対してのケアもボランチがしっかり担当することが必要だろう。遠藤が間に合うかという心配があるものの、森保監督が繰り返し選手に伝えてきた「粘り強い守備」が求められる。

■直近2戦と何が違うのか

 スペインの地元メディアが初戦でコスタリカに7-0と大勝した後、細かいパスをテンポよくつなぐスタイル「ティキタカ」復活と称賛し、2戦目のドイツ戦ではハイテンポ、ハイプレッシャーを可能にする強度と、その中でも全くブレない技術を示した。大会前は優勝への期待感がそれほど大きくなかったものの、今は2010年W杯南アフリカ大会以来の優勝を期待する声も聞かれるようになったという。そんな相手と日本はラウンド16進出をかけて戦う。

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日本が目指すものは圧倒的にシンプル……