ベテランがチームを盛り上げて、選手たちがバラバラにならず同じ方向を向いて戦う。松田と重なるのはカタールW杯を戦っている日本代表の長友佑都だ。4大会連続出場となった今大会はグループリーグ第1戦のドイツ戦、第2戦のコスタリカ戦と左サイドバックで出場。逆転勝利で大金星を挙げたドイツ戦の試合後にインタビューに応じた際、「みんなブラボー!ブラボー!ブラボー!」と雄たけびを上げると、「ピッチで出ているときも出ていないときも常に一緒に戦っていた。ベンチも含めてみんな心がひとつになっていたから、この勝利はたくさんの人が応援もしてくださったし歴史的瞬間だね。うれしいね」と目を輝かせていた。

 コスタリカ戦は敗れたが、試合開始前に会場に訪れた日本サポーターに向け、ピッチで両手を振り上げて激しく煽って盛り上げた。

 長友も松田も順風満帆なキャリアではない。長友は日本代表で低調なパフォーマンスが続いた際に批判の矛先が向けられ、松田もプロ17年目で初のノーアーチに終わった今季は限界説がささやかれた。心が折れても不思議ではない中、前を向いて声を張り続ける。他の選手はその姿勢を見ているから、言葉に説得力がある。「熱男」の愛称で親しまれる松田が、新天地でどんな活躍をみせてくれるか楽しみだ。(今川秀悟)

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