ソフトバンクの戦力構想から外れて退団し、今オフに巨人への移籍が決まった松田宣浩。11月15日に都内で開かれた入団会見では、「ジャイアンツさんにオファーしていただいたときからムードメーカーというよりも一人の選手としてジャイアンツのリーグ優勝、日本一のために戦力として考えているから今回オファーを出したという言葉をいただいた。それがすごくうれしく思います」と感謝の言葉を口にした上で、「その言葉をもらった以上、責任感も出ましたし、来年やってやろうという思いもあります。とにかく試合に出て貢献したいという思いがありますので、どこでも守るつもりで今練習してキャンプに備えている状態です」と気合十分だった。
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本職の三塁は新主将の岡本和真、一塁には昨年復活した中田翔がいる。松田は外野守備の挑戦に意欲を示しているが、代打の切り札として重要な局面で起用される可能性が高い。スポーツ紙デスクは、「あれだけ振れる選手がベンチで控えているのは厄介ですよ。松田の加入はチームの空気をガラッと変える可能性がある。ソフトバンク時代は常に声を張り上げてチームを引っ張っていた。近年は出場機会を減らしていたが、それでも悔しさを押し殺してナインを鼓舞していた。こういうベテランがいるチームは若手にも好影響を与えます。野球に向き合う生きざまは良きお手本です」と評価する。
松田はチームの枠を超えて、他球団の選手たちにも尊敬されている。印象深いのが、2019年のプレミア12だ。侍ジャパンに選出された松田は打率.125と結果を残せず、決勝の韓国戦は出番がなかったが、試合前の円陣に「必勝」と書かれた日の丸の鉢巻きを頭に巻いて登場。「今日の試合はみんな一つになって必ず勝ちますよ!いくぞー!」とナインに熱く訴えた。
侍ジャパンを取材したスポーツ紙記者は「最年長の松田がチームの士気を上げるためにあそこまでやってくれる。誰にでもまねできることではないですよ。他球団の選手たちは『松田さんはすごい。一緒に野球をやりたい先輩です』と大会後に口をそろえていました」と振り返る。