平石容疑者の自宅の不動産登記を見ると、借金で抵当権が何度も設定され、2度、仮差し押さえされているのがわかる。15年には、徳島地方裁判所で、破産が認められている。
金銭的に困っていたようで、別の町民からもこんな声が聞こえてきた。
「平石容疑者からカネを貸してほしいと頼まれたのは10年くらい前。副議長になるような人だったので、300万円ほど貸しました。貸してから返済を求めようとしても、急に連絡がつかなくなり、町役場まで訪ねたこともありました」
「『町に競輪場かその場外車券売り場ができる。予定地がわかるので、先に買っておきたい』などと頼まれ、1千万円を貸しました。その後『さらに大きな土地を買う』と追加で700万円を出しました。しかし、いっこうに競輪場も車券売り場もできません。平石容疑者に電話をすると『ちょっと遅れているだけだ』と言われて電話が切れてしまい、以降、何度かけてもつながりません」
「『いい投資先がある』『暗号通貨に投資すれば、5年で10倍になる』などと誘われて300万円を投資名目で貸しています。投資がどうなったか気になって、『配当を』と連絡すると『大丈夫、1カ月後に1度、配当を渡せる』というので期待していたけど何もない。同じように誘われた人もいたが、なしのつぶてだと」
ある同僚議員もこう話す。
「借金取りが町議会に来たのは有名な話です。酒も好き、賭け事も好き。とても町議の収入ではやっていけないようなカネの使い方をしていました。破産したとも聞きましたが生活はほとんど変わらず、あちこちで飲み歩いていたようでした」
共謀したとされる阿部容疑者は、以前から平石容疑者と親しく、役場によると2019年9月から住民課に所属していたという。先の支援者が言う。
「平石容疑者と阿部容疑者は非常に親密な関係でしたよ。阿部容疑者にラウンジのママをやらせようとしていたようで、ちょうど今、テナントの工事に入っていました。工事業者は2人が逮捕されて工事代金がもらえるのかと、慌てていました」