犯罪グループに警察の捜査情報を漏らし、見返りに現金をもらったとされる地方議会の副議長とは――。12月5日に加重収賄と地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで大阪府警に逮捕された、徳島県藍住町議会の副議長、平石賢治容疑者(45)。小さな町で起きた衝撃的な事件だが、関係者からは、普段から平石容疑者の素行に問題があったとの声も多くあった。一体、どんな人物だったのか。
大麻密売グループのリーダーとみられる金太士容疑者(52)=贈賄などの容疑で逮捕=と親密な関係にあったという平石容疑者。
大阪府警などの捜査が入っていることを察知した金容疑者から、「役場に捜査照会があったら教えてほしい」と頼まれ、町住民課で郵便物の開封を担当していた阿部さやか容疑者(39)=地方公務員法違反(守秘義務違反)容疑などで逮捕=に、「照会があった際には伝えるように」と指示したという。
そして2021年9月ごろ、平石容疑者は、阿部容疑者から「大阪府警から捜査照会があった」と聞き、その内容を金容疑者に伝え、その謝礼として現金5万円を受け取った疑いが持たれている。
平石容疑者らの認否については明らかになっていない。
「捜査機関からの照会は、捜査を進める上で、関係者が実在するかなど、住民票のデータなどを問い合わせできるもの。照会の有無や照会内容が金容疑者に抜けると、こちらが捜査に着手したかどうかが簡単にばれて、警戒されてしまう。捜査機関からの照会が役場から容疑者側、それも副議長が賄賂をもらって漏れるなんて聞いたことがない」(捜査関係者)
平石容疑者は31歳で初当選し、現在4期目というベテランだ。町議在籍10年を超え、議長表彰も受けており、副議長も3度目とキャリアを重ねてきた。
しかし、関係者の評判は芳しくない。
「年中、借金取りに追われていた」
「議会にまで借金返せと業者らしき人が押しかけてきて、逃走していた」
と平石容疑者の支援者が打ち明ける。