夜が更ける頃、南東の空には横に寝た「V」の形に見える星々と、その上の方にも星が密集しているのが観察できます。いくつもの星々が密集して美しく輝いている様子は肉眼でも観察でき、冬の星空を楽しませてくれます。

ヒアデス星団(左側のV)とプレアデス星団(右上)
ヒアデス星団(左側のV)とプレアデス星団(右上)

夜が更けるころ、南東の空に昇るオリオン座の右上の方に、小さな星々が横に寝た形の「V」の形に並んでいるのがわかると思います。これらの星々は「ヒアデス星団」と呼ばれています。
また、そこから上の方へ目を移すと、そこにも星々が密集しています。「プレアデス星団」と呼ばれていますが、「すばる」という名の方がおなじみかもしれません。
いずれもおうし座に属する星たちです。

札幌市 11月21日午後9時頃 南東の空の様子(イメージ)
札幌市 11月21日午後9時頃 南東の空の様子(イメージ)

ギリシャ神話の中では、プレアデス星団は「天を支える巨人アトラスの7人の娘たちで、月の女神アルテミスにつかえている」とされています。
一方、ヒアデス星団も実は7人の娘たちで、プレアデス星団とは父親が同じで母親が違う異母姉妹といわれており、両方とも美しい娘達です。

観察のポイント

星団とは、数十個から数百個の星の集まりのことを指します。肉眼でも星が密集している様子がわかり、ちかちかと美しく輝いています。
しかし、双眼鏡を使うと、宝石箱をひっくり返したような星々が視野いっぱいに広がる様子を楽しむことができます。
ヒアデス星団のそばには、赤いアルデバランもルビーのように輝いており、また、プレアデス星団(すばる)も青白い星々が明るさを競うように輝いています。双眼鏡をお持ちの方は是非ご覧になってください。

さて気になる天気は?

21日の夜、北海道付近には西から気圧の谷が近づいてきます。
このため、今夜から日本海側や太平洋側西部で広く湿った雪となり、星空観察にはあいにくの天気となりそうです。その他でも次第に雲が広がってくるでしょう。明日も午前を中心に雪の降る所が多くなりますが、夜には太平洋側で晴れる所もありそうです。
向こう一週間でも、日本海側などでは雪の降る日が多いですが、これらの星々はこれから冬の間中、ずっと観察することができます。天気予報を確認しながら、のんびりと星空の広がる日を待ちましょう。観察の際はしっかりとした防寒対策を忘れずに。