このころ、立教大のスポーツはめっぽう強かった。大学日本一になった種目はバレーボール(1953、57、61年)、ハンドボール(1963、67年)、バドミントン(1953~59年、61年)、野球(1953、57、58、2017年)などだ。
1960年前後、立教大がこれほどまでに強かったのはスポーツ推薦制度があったからだ。「スポーツ優先入学」という、わかりやすい名称だった。1957、58年、野球部が大学日本一のときに活躍した長嶋茂雄もスポーツ推薦組である。しかし、1965(昭和40)年にスポーツ推薦枠は減少、1971(昭和46)年には全廃される。当時の立教大職員はこう話していた。
「制度そのものが勝手に一人歩きをしたり、それにからんでダーティーな部分が少なからず存在していました。そういう不明確な関係をバッサリ断ち切るためにも旧入試制度を一度全部整理しクリーンな状態にしてから再構築をしようとしたのです。きちんとした制度を作り出して、きちんとした形で学生を入学させよう。ゲタをはかせる式のことは絶対にやらない」(立教大のキャンパス誌『St.Paul’s Campus』1980年7月号)
これによって高校生アスリートたちは早稲田大、法政大、明治大、中央大に流れていき、立教大は各競技で力を落としてしまった。
■立教大野球部が59年ぶり日本一、55年ぶり箱根駅伝も
しかし立教大は、2000年代になってから「スポーツ再建」を目指した。2008(平成20)年、スポーツ推薦は「アスリート選抜入試」として復活する。結果は少しずつ出てきている。

2017(平成29)年、野球部は大学日本一となる。59年ぶりだ。その原動力となったのは、2016年にアスリート選抜入試で入学した投手の田中誠也である。野球強豪校の大阪桐蔭高出身だ。
また、立教大は1968(昭和43)年が最後の出場となった箱根駅伝復帰を掲げていた。
「立教箱根駅伝2024 150周年を迎える2024年に行われる第100回大会における本選への復帰と世界レベルの選手育成を目指します」(立教大ウェブサイトから)
そして2022年10月、目標より1年前倒しで2023年の箱根駅伝出場を決めた。55年ぶりである。