立教大が、2023年の箱根駅伝出場を決めた。実に55年ぶりのことで、これにはスポーツ推薦をめぐる立教大の考えが反映されている。大学スポーツのメリットとは何か。日本の大学を、ランキングをもとに様々な角度から論じた書籍『日本の「学歴」 偏差値では見えない大学の姿』から、抜粋してお届けする。
【ランキング】野球、サッカー、ラグビー…大学選手権ランキング(全4ページ)
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■大学の知名度向上に寄与するスポーツ
大学選手権優勝のアスリートが国際大会で活躍するケースがいくつか見られる。過去、柔道、レスリング、体操、陸上、水泳など、個人競技で強豪校所属の現役学生がメダルを獲得した。体操の具志堅幸治と内村航平(ともに日本体育大)、柔道の古賀稔彦(日本体育大)と井上康生(東海大)、水泳の北島康介(日本体育大)と寺川綾(近畿大)などだ。
バレーボール、バスケットボール、サッカー、ラグビーなど集団競技で日本一の学生が世界で活躍するシーンはそれほど多くない。最近では、バレーボールで2014~2016年に3連覇した中央大の石川祐希がいるぐらいだ。サッカーには慶應義塾大の武藤嘉紀、ラグビーには早稲田大の藤田慶和や筑波大の福岡堅樹など日本代表はいるが、早慶は昨今、ラグビーの帝京大のように大学日本一を続けた「絶対王者」というわけではない。
昔の話になるが、集団競技で学生日本一のメンバーがそのままオリンピック日本代表になったことがあった。ボート競技で、1952(昭和27)年ヘルシンキ大会と1956(昭和31)年メルボルン大会の慶應義塾大、1960(昭和35)年ローマ大会の東北大、1964(昭和39)年東京大会の早稲田大、1968(昭和43)年メキシコ大会の同志社大である。選手層が大学生中心だった時代のことである。
バスケットボールも大学日本一チームがオリンピックに出場している。1950~60年代、立教大のバスケットボール男子は大変強かった。全日本大学バスケットボール選手権大会は1952、54、55、58、61、62年に優勝。53、59、60年は準優勝している。その結果、1956年メルボルン大会、1960年ローマ大会でいずれも代表12人中6人が立教大の出身・現役選手で占められていた。