強い台風10号は、関東の東海上を北上していて、午前8時には宮城県から福島県の一部が台風の強風域に入っています。このあとも台風は北上を続け、昼過ぎから夕方にかけて東北地方に接近、上陸する見込みです。最新の台風情報・気象情報にご注意下さい。
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強い台風10号は、30日8時には銚子市の東約240キロにあって、1時間におよそ35キロの速さで北北西へ進んでいます。中心の気圧は965hPa、中心付近の最大風速は35メートルで、中心の東側170キロ、西側70キロ以内では25メートル以上の暴風となっています。このあとも、台風10号は北上を続け、昼過ぎから夕方にかけて東北地方に接近し、上陸するおそれがあります。台風の接近に伴い、北日本では海上を中心に猛烈な風が吹き、海は猛烈なしけとなり、猛烈な雨が降る見込みです。暴風や高波、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、土砂災害、高潮に厳重に警戒してください。
東北地方も強風域に
台風10号は、8時には中心の南東側560キロ、北西側390キロ以内で15メートル以上の強風となっていて、宮城県や福島県の一部が台風の強風域に入っています。また、宮城県石巻市(いしのまきし)では午前8時21分に最大瞬間風速24.8メートルを観測しました。
宮城県に高潮警報発表
台風の接近に伴って、北海道から関東の太平洋沿岸では波が高まっています。各地に波浪警報が発表されていますが、宮城県には高潮警報も発表されました。
【宮城県の高潮警報】
警戒期間 30日12時頃から30日21時頃まで
注意期間 30日9時頃から30日24時頃まで
ピークは30日16時頃
最高潮位 標高1.2メートルの高さ
【高潮警報とは】
台風などによる海面の異常上昇に関する警報です。
埼玉県や群馬県などに土砂災害警戒情報
降り続く大雨のため、関東地方では土砂災害の危険度が高まっています。埼玉県秩父市三峰(みつみね)では、午前8時までの24時間に209ミリの雨が降り、数年に一度あるかないかのまとまった雨となりました。午前4時10分に秩父市に土砂災害警戒情報が発表され、7時5分には小鹿野町(おがのまち)、8時50分には飯能市(はんのうし)、横瀬町(よこぜまち)も警戒対象地域となりました。また、午前8時50分には、群馬県の藤岡市、富岡市、上野村、神流町(かんなまち)、下仁田町(しもにたまち)、南牧村(なんもくむら)、甘楽町(かんらまち)にも土砂災害警戒情報が発表されました。崖の近くなど土砂災害の発生しやすい地区にお住まいの方は、早めの避難を心がけるとともに、市町村から発表される避難勧告などの情報に注意してください。
【土砂災害警戒情報とは】
大雨警報(土砂災害)が発表されている状況で、土砂災害発生の危険度がさらに高まったときに、市町村長が避難勧告等の災害応急対応を適時適切に行えるよう、また、住民の自主避難の判断の参考となるよう、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報で、都道府県と気象庁(気象台)が共同で発表しています。
日本気象協会 気象予報士 森康祐