小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(29)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、教育やキャリアのことなど、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、新しいことへのはじめの一歩の踏み出し方を聞いた。
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Q. 新しいことを始めてみたい気持ちはあるのですが、なかなかはじめの一歩が踏み出せません。どうすれば行動に移せるでしょうか?
A. あまり難しく考えすぎずに、まずは始めてみたいことについてWEBで検索してみてはどうでしょうか? そもそも本当に自分がやりたいことなのかもリサーチしないとわからないですし、興味があること、やってみたいことについて調べることだって、十分立派なはじめの一歩。小さなステップをとにかく踏んでみるのが早いと思います。例えば、語学にチャレンジしてみたかったら、語学書や単語帳をとりあえず買ってみる。ペラペラに話せるようになるには時間がかかるけど、目標とするレベルに至るまでの道のりを細分化して、その一歩目を考えてみると、意外と簡単なことだったりするはずです。
もし、人生や生活を大きく変えるようなこと、例えば就職や転職といったことで踏み出せないのだとしたら、自分の履歴書を作って定期的に更新してみるのがおすすめです。実は私、履歴書作りが好きなんですよ。多い時は、1カ月に1回くらいのペースで履歴書を更新していました。
ジュリアードで、自分のメディアキットを作る授業があったんですね。プロフィール文や履歴書の書き方、宣材写真の選び方などを教えてくれる授業です。「3歳でバイオリンを始める」といった具合に、時系列にプロフィール文を書いていたら、一番のアピールポイントを先に書きなさいと先生に言われて、ハッとしました。自分自身は全ての文脈がわかっているけど、初めて読む人は当然わからない。強みが真っ先にわかるほうが、はるかに伝わりやすいですよね。