そして今季正念場となるのが2015年に競合ドラ1でプロ入りした高橋純平(ソフトバンク)と平沢大河(ロッテ)の2人だ。高橋は4年目の2019年にリリーフで45試合に登板して開花を予感させたが、度重なる故障でその後は結果を残すことができていない。平沢も2018年の112試合、62安打がキャリアハイで、その後は二軍暮らしが続いている。同期のオコエ瑠偉(巨人)は現役ドラフトで移籍するなど転換期を迎えている選手もいるだけに、そろそろ結果を残さなければその立場が危うくなることは間違いないだろう。

 こうして見てみると改めてプロで成功することの難しさを感じるが、年齢を考えればまだまだここから大きく成績を伸ばす可能性も秘めていることは確かだ。高校時代に見せていたきらめきに魅了されたファンも多いだけに、今年は多くの選手が飛躍のシーズンとなることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文 1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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