打撃を生かして外野にも挑戦しているが、なかなか体が大きくならず、打撃に安定感が出てこない。また今季は坂倉将吾がキャッチャーに専念すると言われており、さらに苦しい立場に追い込まれている。清宮のように何かを大きく変えなければ、今季も苦しいシーズンとなりそうだ。

 2018年、2019年の高校生競合ドラ1も現時点では明暗が分かれている。2018年組での出世頭になっているのが小園海斗(広島)だ。2年目こそ二軍暮らしとなったものの、3年目以降は完全にショートのレギュラーに定着。まだ少し打撃の調子に波はあるものの、攻守ともに年々力強さが増している印象を受ける。セ・リーグの若手ショートでは最も勢いのある存在と言えそうだ。

 一方で苦しんでいるのが藤原恭大(ロッテ)と根尾昂(中日)の2人だ。藤原は度々素質の片鱗は見せるものの、調子が持続せず、レギュラーを獲得することができないシーズンが続いている。プロ入り後に痛めた左肩の影響も不安要素だ。根尾も打撃の確実性が上がらず、度重なるポジション変更もあって低迷し昨シーズン途中に投手転向。ピッチングでも非凡なものを見せているが、どうしても遠回りした感は否めない。今季は同学年が大学からプロ入りしてくるだけに、何とか意地を見せてもらいたい。

 2019年組で順調な成長を見せているのは佐々木朗希(ロッテ)だ。昨シーズンは二桁勝利には惜しくも届かなかったものの、完全試合を達成するなど飛躍の年となった。まだ1年を通じてのスタミナには不安が残るが、好調時の投球は世界でもトップレベルである。今年はタイトル争いに加わる可能性も高いだろう。

 一方で怪我に苦しんでいるのが奥川恭伸(ヤクルト)と石川昂弥(中日)の2人だ。奥川は2年目に9勝をマークするも、昨年は故障で長期離脱となり、まだ復帰のめどは見えていない。石川も昨シーズンの開幕直後はブレイクを予感させたが、膝の怪我でシーズンの大半を棒に振っている。まずは故障をしっかり治して、万全の状態で4年目を迎えたいところだ。

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今季が8年目…正念場を迎える2人