■敬愛大学/オリジナル教材を使ってAIやDSの楽しさを伝える
敬愛大学(千葉県)は、2019年に副専攻「AI・データサイエンス」を開設し、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」第1回の認定7大学のうちの1校となった。AI・データサイエンス教育センター長の高橋和子教授は、経緯を振り返る。

「18年夏に、私立大学情報教育協会の理事長・学長等会議に本学の理事長兼学長と副学長、学部長、教務部長が参加しました。その際、17年に日本初のデータサイエンス学部を設置した滋賀大学の発表を聞き、データサイエンス(以下DS)の必要性を痛感し、秋からカリキュラム作成に取り組んだのです」
■DSの学びを就活でアピール
すぐにカリキュラムを作れた背景には、経済学部でかつて高等学校の「情報」の教職課程と、国際学部で社会調査士の資格が取得可能な科目をもっていたことがある。
「足りなかったAI(人工知能)分野の科目を新設し、既存科目と組み合わせることで、早期に実現できました」
副専攻「AI・データサイエンス」は、全学部の学生が対象の共通カリキュラムだ。情報、統計、専門領域の3分野について、それぞれ導入・基礎・応用と3段階に分けてカリキュラムを設けており、全29科目が用意されている。
「20年度からはAIやDSを学ぶ楽しさを感じてもらおうと、1年次開講の『AI・DSへのいざない』において各学部の教員が協力して動画教材を作成しました。また文系大学なので、行列やベクトル、微分といった基本的な数学を学ぶ機会も設けています」
副専攻履修を就活のアピールにつなげるサポートも行う。センター委員の工藤龍雄IR・広報室長は、履修する学生それぞれに「履修カルテ」を作成し、学修の振り返りをスムーズに行える仕組みづくりを計画中だと話す。
「自己PRでは、副専攻履修でできるようになったことを明確にし、志望する企業業界にそれらがどのように生かせるかをアピールできるよう、現4年生に指導しています」