昨年の大みそかに放送された「第73回NHK紅白歌合戦」のテーマは「LOVE & PEACE-みんなでシェア!-」。公式ホームページによると、「今年の紅白は『シェア紅白』。紅白をテレビやラジオで楽しみながらスマホやPCでシェアして欲しい。感じた事をつぶやいてシェア! 写真や動画をシェア! LOVE & PEACEをシェア!」というものだった。
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テーマの影響もあってか、司会の一人は、SNSで数多くのフォロワーを抱える人気女優の橋本環奈を起用。放送終了から間もなくNHKのYouTube公式チャンネルには出場アーティストのダイジェスト映像がアップされるなど、ネットやSNSを意識した試みが目立った。
スポーツ紙の芸能担当記者はこう振り返る。
「このテーマにした背景には、近年うわさされている『ネット受信料』導入へのNHKの意欲も見て取れます。とはいえ、そうした思惑は抜きにしても、今年は多くの人が紅白を楽しむことができたという点においてはプラスも大きかったのではないでしょうか」
実際、番組内容に関するネット上の書き込みを見てみると、「今年は見応えがあった」、「合格とは言えないまでも及第点」、「ここ数年ではマシな方だろう」など概ね好意的な意見が目立った。
今年はコロナ禍や耐震工事を経て、3年ぶりのNHKホールでの有観客開催となり、演出面も派手なものが多かった印象だが、やはり最大の功績は出場アーティストたちによる熱のこもったパフォーマンスだろう。
昨年12月に亡くなったドラムの田中裕二さんに捧げたかのような「安全地帯」の玉置浩二の熱唱は見事だったし、桑田佳祐や佐野元春らで結成された「時代遅れのRock’n’Roll Band」の豪華かさは、近年の「紅白」のサプライズ枠と比べても傑出していた。
また、最後のライブステージを飾った加山雄三や歌手活動休止前のラスト紅白となった氷川きよし、この日をもって最後のグループ活動となった齋藤飛鳥がセンターを務めたアイドルグループ「乃木坂46」、今年5月にメンバー3人が脱退し、5人での最後の紅白出場となった「King&Prince」など、大晦日のステージで自身の活動の大きな節目を迎えるアーティストたちも多かった。