「長らく休業した理由は、全盛期の多忙さにあったようです。当時1日8本ほどの仕事をこなし、夜中の2時に帰宅して朝4時に次の仕事への迎えが来るという生活がほぼ毎日続いたそうです。月末の給与明細を見ることが唯一、精神安定剤だったとも告白していました。復帰後はSNSの反応を見て、振る舞い方を変えているそうです。昔のままのノリだと出しゃばり過ぎになるので、リアクションを現代バージョンにアップデートさせているとのこと。天性の話術だけでなく、時代の空気感を読む力にもたけているのでしょう」(同)
■強烈な下ネタにも対応
休業中はファッション好きが高じて「買い付け」という名目で2年ほど海外に行っていたという若槻。09年に出資者と共同で自身のブランドを立ち上げ、若槻が考案したクマタンというキャラクターが大ヒット。19年からは自らが出資して新たに別ブランドをスタートさせるなど、若槻はタレント意外の顔も持っているのだ。
「デザイナー以外でも、東京・渋谷区の子育て関連のアンバサダーを委嘱されているほか、渋谷の街づくりプロジェクトのアドバイザーも務めています。セカンドブレークともいえる今の状況は、もともと高かったトークスキルが経験に裏打ちされ、厚みや説得力が増した結果でしょう。バラエティーでゲストとして呼ばれることが多い若槻ですが、フリートークを大切にしたいからと『寝る前に1個、フリートークを考えて寝る』と過去にテレビで語っていたこともあります」(同)
芸能評論家の三杉武氏は若槻千夏についてこう述べる。
「若槻さんにママタレ感がないのは、端的に言えば母であることを殊更にアピールしなくても出演者として十分な結果を出しているから。バラドル全盛期における勝ち組の一人だったわけですが、当時から切れ味鋭いトークや毒舌、ブログの文才などから頭の回転の速さは見て取れました。結婚、出産をへて“本格復帰”した後も、その能力は衰えるどころか、さらにパワーアップした感があります。一方、彼女が得意とするぶっちゃけトークや毒舌は、ママタレとの相性が悪いということは言えるかもしれません。若槻さんは、最近も仲の良い有吉弘行さんのラジオ番組にゲスト出演した際に強烈な下ネタを振られたのですが、見事に対応しています。場の空気を読んでギリギリのラインの過激な発言をぶっこむのが彼女の十八番。ママタレントであることを強調しすぎると、こうした彼女の持ち味が生きにくいというのもあるでしょう」
母親なのに“ママタレ”にならないバラエティータレント。若槻の活躍は、新しい女性タレントの形なのかもしれない。(高梨歩)