うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。今回は「受験シーズンの予備校の活用法」についてです。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。
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私が大学生のころ、某有名予備校に、東京大学志望者のみに特化した校舎がありました。そして、そこで勉強した生徒のうち、毎年100人ほどが東大に合格していたそうです。
「そこの校舎のみから100人も!」というと、なんだかすごく多くの生徒が受かったような気がしますよね。しかし、実はその校舎には600人ほど生徒がいて、不合格が毎年500人もいたのです。実際のところ、6人の生徒のうち、たった1人しか受かっていないわけです。
■1人の合格者とほかの5人は何が違うのか
この観点からすると、東大のテスト対策に特化した授業を受けていたとしても、ただ普通に勉強しているだけでは、6人のうちの1人、つまり合格者になるのは難しいといえます。
私が考えるに、彼らの差は、「復習しているかどうか」という点にあると思っています。 勉強で最も大切なのは、とにかく復習して、1度間違えた問題を、2度目には確実に解けるようにすることです。
そのためには、短期記憶にある知識を、きちんと長期記憶にうつらせるまで強化することが必要不可欠です。間違えた箇所は何度も何度も見直す必要があるのです。1度間違えた問題を、2度目も3度目も間違えていたら、点数が伸びるわけがありません。
■予備校で忙しいと復習の時間がとりづらい
ここで問題となるのが、予備校に通っていると時間が足りなくなる、ということです。
毎日、学校の帰りに予備校に行き、何教科もの授業を受ければ、帰宅するのは夜の8時や9時、10時になります。その後、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、次の日の学校の宿題をしていれば、すぐに寝る時間になってしまいます。これでは、予備校の復習ができません。つまり、せっかく授業を受けても、 短期記憶から長期記憶に入れる時間がないのです。